空き家 3000万円控除 取り壊し|買主が壊す場合

\u7a7a\u304d\u5bb6 3000\u4e07\u5186\u63a7\u9664 \u53d6\u308a\u58ca\u3057\uff5c\u8cb7\u4e3b\u304c\u58ca\u3059\u5834\u5408 空き家特例

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相続した実家が昭和50年代の木造で、そのままでは買い手がつきにくい。かといって、売れるかどうか分からないうちに自腹で数十万円かけて解体してしまうのは怖い。空き家の3000万円特別控除(正式には「被相続人の居住用財産を売ったときの特例」)を使うには、これまで売主が引渡し前に取り壊すか耐震改修を済ませておく必要があったため、この「先に壊す負担」で足踏みする人が少なくありませんでした。

令和6年1月1日以後の譲渡では、この点が大きく緩みました。判断の基準はひとつです。売る時点で家屋が耐震基準を満たしていなくても、また更地になっていなくても、「譲渡した日の属する年の翌年2月15日」までに耐震改修または全部の取壊しが済めば控除を使える——つまり買主が壊す(改修する)段取りでも適用の対象になった、と押さえてください。以下で、変わった点・期限の数え方・土台の条件・計算例の順に整理します。

令和6年1月1日以後:買主が壊しても控除が使えるようになった

荒れた庭で古い家屋の敷地計画図を見る様子
売買後の解体を検討する風景(イメージ)

空き家3000万円控除で家屋を売る場合、従来は「譲渡の時において一定の耐震基準を満たすもの」であることが条件でした。旧耐震の建物は多くが基準を満たさないため、売主が引渡しまでに耐震改修工事を終えるか、家屋を取り壊して敷地(土地)として売る必要がありました。買い手からすれば古家は解体前提でも、税制上は「先に売主が動く」ことが求められていたわけです。

令和6年1月1日以後の譲渡では、これに次の選択肢が加わりました。国税庁の説明では、「譲渡の時からその譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの間に、一定の耐震基準を満たすこととなったこと」または「被相続人居住用家屋の全部の取壊し等を行ったこと」でも要件を満たすとされています。売買契約で「引渡し後に買主が解体する」と決めていても、期限内に取壊しが完了すれば控除の対象になる、ということです。

比較 令和5年12月31日までの譲渡(従来) 令和6年1月1日以後の譲渡(緩和後)
耐震改修・取壊しの時期 譲渡の時までに売主が完了しておく 譲渡の翌年2月15日までに完了していればよい
誰が壊す・改修するか 実務上、売主が主導 買主が壊す・改修する段取りでも可
売主の負担 売れる前に解体費・工事費を先払い 先に壊さずに済む選択肢が増える

売主にとっては、売れるか分からない段階で解体費を先払いする必要が薄れ、資金繰りと売却の順序を組みやすくなったのが実務上の意味です。売却全体の進め方(仲介と買取で手取り・期間がどう変わるか)は空き家 売却の進め方で整理しています。

期限は「譲渡の翌年2月15日」:判断フロー

緩和後も、期限は明確に区切られています。取壊しや耐震改修を「いつまでに」終えればよいかは、次の順で判断してください。

  1. その譲渡が令和6年1月1日以後か。前であれば従来ルール(譲渡の時までに完了)で判断する。
  2. 令和6年以後なら、家屋の全部の取壊し、または一定の耐震基準を満たす改修を「譲渡した日の属する年の翌年2月15日まで」に終えられるか。
  3. 終えられるなら、契約で取壊し・改修の時期と役割(誰が費用を持ち、いつ着手するか)を文書で決めておく。

たとえば令和7年10月に引き渡した場合、翌年2月15日、つまり令和8年2月15日までに全部の取壊しが完了していれば要件を満たします。年をまたぐ短い期間なので、冬場の工事の遅れや近隣調整で「2月15日を過ぎた」となると適用できなくなる点に注意してください。買主が壊す取り決めであっても、期限内に完了しなければ控除を失うのは売主側です。契約書に完了期限と、間に合わなかった場合の扱いを明記しておくのが安全です。

控除を使うための土台の条件(緩和されても外せない要件)

白い布がかけられた、使われていない和室
静かに時が流れる和室の風景(イメージ)

取壊し・改修の時期が緩んだだけで、そのほかの条件はそのまま残っています。主なものを挙げます。

  • 相続または遺贈で取得した被相続人の居住用家屋・敷地を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売ること。
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
  • 売却代金が1億円以下であること。
  • 家屋が昭和56年5月31日以前に建築され、区分所有建物登記がされた建物でなく、相続開始の直前に被相続人以外に居住していた人がいなかったこと。
  • 相続の時から譲渡の時まで、事業・貸付け・居住の用に供されていないこと(相続後に人に貸したり住んだりすると使えません)。

また、令和6年1月1日以後の譲渡で、その家屋・敷地を相続または遺贈で取得した相続人の数が3人以上の場合は、控除額が2,000万円までに下がります。兄弟姉妹で共有相続したようなケースでは、頭数によって使える枠が変わる点を先に確認してください。条件全体のチェックは別記事「空き家 3000万円控除は使えるか」で項目ごとに扱っています。

解体費用は誰が負担する・譲渡費用に入るか

買主が壊す取り決めなら、解体費は買主が負担するのが通常です。一方、売主が更地にして売る従来型では、売主が解体費を負担します。解体費の全国平均には公的な統計がなく、構造・延床面積・立地(重機が入るか)・残置物の量で大きく動くため、複数社から見積りを取って比べるのが基本です。自治体によっては解体の補助制度があります(たとえば東京都の空き家家財整理・解体促進事業は、相談窓口に相談した所有者を対象に解体費の2分の1・上限10万円など。年度ごとに要確認)。

なお、売主が負担した解体費が譲渡所得の計算上「譲渡費用」として差し引けるかどうかは、売るためにその建物を取り壊したといえるかなどの線引きがあり、一律ではありません。この点は別記事「譲渡所得 解体費用|譲渡費用に入るかの線引き」で扱うため、本記事では深追いしません。判断に迷う場合は税務署または税理士に確認してください。

数字で見る:控除でどれだけ変わるか

取得費が分からない古い実家を例に、控除の効き方を見てみます(金額は説明のための仮定です)。

  • 売却代金(収入金額):3,000万円
  • 取得費:契約書が見つからず不明のため、概算取得費(売った金額の5%)=150万円を使用
  • 譲渡費用(仲介手数料の上限で試算):3,000万円の物件は「200万円×5.5%+200万円×4.4%+2,600万円×3.3%=上限105.6万円(税込)」

この場合の譲渡所得は、3,000万円−150万円−105.6万円=2,744.4万円です。ここから空き家3000万円控除を差し引くと、2,744.4万円−3,000万円で計算上ゼロとなり、譲渡所得への課税は生じません(控除は所得の範囲でしか引けないため、引き切れなかった枠は繰り越せません)。

仮に相続人が3人以上で控除が2,000万円になる場合は、2,744.4万円−2,000万円=744.4万円が課税対象です。所有期間を引き継いだ結果が長期(譲渡した年の1月1日で所有期間5年超)なら税率は所得税15%・住民税5%(このほか復興特別所得税として基準所得税額の2.1%)。控除枠が1,000万円違うだけで、納める税額が大きく変わることが分かります。

手続きと必要書類

畳の部屋で書類を広げ、確認する人の後ろ姿
必要な手続きを進める様子(イメージ)

この特例は、要件を満たすだけでは適用されません。控除を受ける年分の確定申告が必要で、市区町村長が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」などを添付します。買主が壊す段取りの場合は、取壊しが翌年2月15日までに完了したことを示す資料(滅失登記や解体の記録など)も整えておくと確認がスムーズです。

あわせて、相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例(相続税額の一部を取得費に加える特例)とは併用できず、どちらか一方を選ぶ点にも注意してください。相続税を納めた人は、3000万円控除と取得費加算のどちらが有利かを比較してから申告します。必要書類の詳細や取り方は別記事「空き家 3000万円控除 必要書類」を参照してください。

よくある質問

売買契約で「買主が解体する」と決めても控除は使えますか。

令和6年1月1日以後の譲渡であれば、譲渡した日の属する年の翌年2月15日までに家屋の全部の取壊しが完了していれば対象になります。誰が壊すかではなく、期限内に取壊し(または耐震改修)が終わっているかで判断されます。

取壊しが2月15日を過ぎてしまうと、どうなりますか。

期限内に完了しなければ、その要件を満たさず控除を使えなくなります。損をするのは売主側です。契約書に完了期限を明記し、工事の遅れが出ない段取りにしておくことが重要です。

令和5年以前に売った場合もこの緩和は使えますか。

使えません。緩和は令和6年1月1日以後の譲渡が対象です。令和5年12月31日までの譲渡は、原則として譲渡の時までに耐震改修または取壊しを終えている必要があります。

解体して更地で売るのと、買主が壊す前提で売るのと、どちらが得ですか。

一概には言えません。更地は買い手が広がる一方、売主が解体費を先払いします。買主が壊す前提なら先払いは避けられますが、期限内の取壊し完了を契約で担保する必要があります。資金繰りと売りやすさの両面で比較してください。

相続後にしばらく賃貸に出していましたが、使えますか。

相続の時から譲渡の時までに事業・貸付け・居住の用に供していると、この特例は使えません。貸したり住んだりした期間があると対象外になるため、活用の予定がある場合は税務署に確認してください。

控除は必ず適用されますか。

建築時期・売却期限・売却代金1億円以下などの要件をすべて満たし、確定申告と確認書の添付を行った場合に適用されます。要件のいずれかを外すと使えないため、売却前に一つずつ確認することをおすすめします。

参考・出典

  • 国税庁 タックスアンサー No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.3267「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.3258「取得費が分からないとき」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3258.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.3208「長期譲渡所得の税額の計算」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
  • 国土交通省「宅地建物取引業者が受けることができる報酬の額」(昭和45年建設省告示第1552号、最終改正 令和6年国土交通省告示第949号) https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001750143.pdf
  • 東京都住宅政策本部「空き家家財整理・解体促進事業」 https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/akiya/hojo/kaitai_seiri
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