空き家 いつから増えた|900万戸に至る推移の見方

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親から相続した実家がそのまま空き家になっている。ニュースで「空き家が900万戸を超えた」と聞くたびに、自分の家もその一つなのだろうと気にはなるものの、いつからこんなに増えたのか、その900万戸の中で自分の家がどんな立ち位置なのかは、案外わかりにくいものです。数字が大きすぎて、他人事のように感じてしまう方も少なくありません。

結論から言えば、空き家の総数は30年で約2倍に増え、いま増えているのは「賃貸に出す予定の空き家」ではなく、使い道が決まらないまま放置されがちな空き家です。ですから統計を読むときは、900万戸という総数だけでなく、その内訳のどこに自分の家が入るかを見るのが正しい読み方になります。以下では、公表された数字だけを使って推移と内訳を整理し、自分の空き家がどの区分に当てはまるかを確かめられるようにします。

空き家はいつから増えた|30年で約2倍という推移

総務省の令和5年住宅・土地統計調査(2023年10月1日現在。5年ごとに実施される国の基幹統計)によると、全国の空き家は900万2千戸で過去最多となりました。この調査では「1993年から2023年までの30年間で約2倍」に増えたと明記されています。つまり「いつから増えたか」という問いに対しては、平成の30年間を通じて右肩上がりに積み上がってきた、というのが答えになります。

直近の5年でも増加は続いています。2018年の848万9千戸から51万3千戸増え、これも過去最多です。総住宅数は6,504万7千戸なので、空き家率は13.8%。2018年の13.6%から0.2ポイント上昇し、こちらも過去最高となりました。日本の住宅の7戸に1戸近くが空き家という水準です。

900万戸・13.8%をどう読むか

13.8%という空き家率は、住宅の絶対数が増え続ける一方で世帯数の伸びが鈍っていることの結果です。新しい家が建っても、古い家が使われないまま残っていく。この差の積み重ねが空き家率を押し上げています。ただし、900万戸すべてが「危険な放置空き家」というわけではありません。この中には、入居者を募集中の賃貸物件や、売り出し中の家、別荘なども含まれています。数字の意味を正しくつかむには、次の内訳を見る必要があります。

増えているのは賃貸用ではなく「それ以外」

空き家900万2千戸を種類別に分けると、次のようになります。

区分 戸数(2023年) 空き家全体に占める割合
賃貸用の空き家 443万6千戸 49.3%
売却用の空き家 32万6千戸 3.6%
二次的住宅(別荘など) 38万4千戸 4.3%
それ以外の空き家 (上記を除いた分) 42.8%

注目したいのは、割合の一番大きい賃貸用に次いで、「それ以外」が42.8%を占めていることです。この「それ以外」が、貸すあても売るあても決まらないまま持ち続けている、いわゆる放置されがちな空き家にあたります。賃貸用・売却用・二次的住宅を除いたこの空き家は385万6千戸で、総住宅数に占める割合は5.9%。2018年からの5年で36万9千戸増えており、空き家全体の増加をこの区分がけん引しています。相続した実家をそのままにしている方の多くは、この385万6千戸の側に入ります。

一戸建ての空き家は約8割が放置系

建て方別に見ると、この傾向はさらにはっきりします。一戸建ての空き家は352万3千戸(空き家総数の39.1%)、共同住宅(アパート・マンション)の空き家は502万9千戸(55.9%)です。共同住宅は賃貸用が多いのに対し、一戸建ての空き家のうち80.9%(285万1千戸)が「賃貸・売却用および二次的住宅を除く空き家」、つまり放置系にあたります。

言い換えると、一戸建ての空き家の約8割は、誰かに貸すためでも売り出し中でもなく、使い道が決まらないまま止まっている家です。相続した戸建てを持っている方は、統計上この最も多いグループに属していると考えて差し支えありません。ここに位置づけられると自覚することが、次の一手を考える出発点になります。

2030年に470万戸という将来見込み

この放置系の空き家は今後さらに増えると見込まれています。国土交通省の改正空家法(空家等対策の推進に関する特別措置法。2023年に改正)の資料では、使用目的のない空き家について「この20年で1.9倍」と示され、その推移は1998年182万戸→2018年349万戸→2030年見込み470万戸とされています。使い道の決まらない空き家は、まだ増える局面にあるということです。

数が増えれば、行政の対応も厳しくなります。管理が行き届かない家は、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が重くなる仕組みもすでに動いています。放置系の空き家に位置づけられる家ほど、早めに方針を決める意味が大きいと言えます。

自分の空き家はどこに位置するか(判断フロー)

統計上の区分に当てはめると、取るべき行動の方向が見えてきます。

  • 入居者を募集して貸している/売り出し中 → 賃貸用・売却用(合わせて約53%)。すでに出口に向けて動いている状態です。
  • 別荘やたまに使う家として保有 → 二次的住宅(4.3%)。維持コストと使用頻度の見合いで判断します。
  • 相続などで取得し、貸すあても売るあてもなく保有 → それ以外(42.8%)。増え続けている放置系で、税負担・管理義務・将来の劣化のリスクを一番受けやすい区分です。

三つ目に当てはまる場合、選べる出口は主に「貸す」「売る」「解体して土地として手放す」です。手取りと期間の違いを整理したうえで方針を決めたい方は、空き家 売却の進め方(仲介と買取の違い)で全体像を確認してみてください。とくに再建築不可や残置物ありの家は、買取という選択肢が現実的な出口になることもあります。

よくある質問

空き家はいつから増えたのですか

総務省の調査では、空き家の総数は1993年から2023年までの30年間で約2倍に増えたとされています。平成の30年間を通じて増え続けてきたのが実態で、直近の2018年から2023年の5年でも51万3千戸増えています。

空き家が900万戸というのは全国の話ですか

はい。2023年10月1日現在の全国の空き家数が900万2千戸です。総住宅数6,504万7千戸に対する空き家率は13.8%で、いずれも過去最多・過去最高となっています。

900万戸すべてが放置されている危険な家ですか

いいえ。900万戸には入居者募集中の賃貸物件や売り出し中の家、別荘なども含まれます。放置されがちな「賃貸・売却用および二次的住宅を除く空き家」は385万6千戸で、総住宅数の5.9%にあたります。

増えているのはどんな空き家ですか

賃貸用よりも、使い道が決まらないまま持ち続けている「それ以外」の空き家です。この区分は空き家全体の42.8%を占め、2018年からの5年で36万9千戸増えました。とくに一戸建ての空き家は約8割(80.9%)がこの放置系にあたります。

空き家は今後も増えますか

国土交通省の資料では、使用目的のない空き家は2030年に470万戸まで増えると見込まれています(1998年182万戸→2018年349万戸→2030年見込み470万戸)。放置系の空き家は、まだ増える局面にあると見られています。

相続した実家の空き家は統計上どこに入りますか

貸すあても売るあてもないまま保有している場合、多くは「賃貸・売却用および二次的住宅を除く空き家」(385万6千戸)に入ります。一戸建ての空き家の8割が属する、最も多いグループです。

参考・出典

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