空き家 放置 罰金|過料はいくらか

\u7a7a\u304d\u5bb6 \u653e\u7f6e \u7f70\u91d1\uff5c\u904e\u6599\u306f\u3044\u304f\u3089\u304b 税金・法律

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相続で引き継いだ実家を空き家のまま置いていたら、ある日、市区町村から「適切に管理してください」という文書が届いた。近隣からは雑草や building の傷みを不安がる声も出ている。「このまま放置したら罰金がくるのか、いくらなのか」と検索してこのページにたどり着いた方が多いはずです。

先に結論を言い切ります。空家等対策の推進に関する特別措置法(略して「空家法」)が定める金銭的な制裁は、法律上は「罰金」ではなく「過料(かりょう)」です。金額は、市町村長の命令に違反した場合の50万円以下と、報告を怠る・立入調査を拒むなどした場合の20万円以下の2種類しかありません。しかも文書が届いた段階でいきなり課されるものではなく、助言・指導、勧告、命令という段階を踏んだ後に初めて対象になります。金額そのものより、そこに至る条件を理解することが対策になります。

空き家を放置すると罰金はいくら|正確には「過料」で50万円と20万円

錆びた門扉と茂る草木のある空き家の入り口
立ち入ることができない場所(イメージ)

「罰金」という言葉で調べる方が多いのですが、空家法に「罰金」という制裁はありません。同法第30条が定めるのは「過料」で、金額と条件は次の2つに分かれます。

金額 対象となる行為 根拠
50万円以下の過料 特定空家等について、市町村長の命令に違反したとき(除却・修繕・立木竹の伐採などを命じられ、従わなかった場合) 空家法22条3項の命令違反(30条)
20万円以下の過料 市町村長が求めた報告をしない・虚偽の報告をした、または立入調査を拒み、妨げ、忌避したとき 空家法30条

ポイントは、50万円以下の過料は「命令」という重い処分を無視した人だけが対象という点です。命令は空家法の手続きの最終盤に位置するもので、通知や意見を述べる機会を経てから出されます。つまり50万円は、行政からの働きかけを何度も受けながら動かなかった場合に初めて問題になる金額です。

20万円以下の過料は「調査への非協力」に対するもの

20万円以下の過料は、金額こそ小さいものの、より早い段階で対象になり得ます。市町村は空き家の状態を確かめるために所有者へ報告を求めたり、敷地に立ち入って調査したりできます。この報告を無視したり、調査を実力で妨げたりすると、命令とは関係なく20万円以下の過料の対象になります。連絡が来たら無視せず対応する、というだけで避けられる性質のものです。

過料は罰金と違う|刑罰ではなく前科は残らない

不安を無用にあおらないために、言葉の違いを正しく押さえておきます。「罰金」や「科料」は刑法上の刑罰で、有罪判決を受けると前科として記録されます。一方「過料」は、行政上のルール違反に対する秩序罰と位置づけられ、刑罰ではないと一般に説明されます。したがって、過料を科されても前科がつくものではないと考えられています。

ただし「刑罰ではないから軽い」という意味ではありません。過料はあくまで手続きに従わなかったことへの制裁であり、後述するとおり、空き家を放置し続けること自体には、過料よりはるかに大きい税負担や解体費用の負担が現実には待っています。金額の大小だけでなく、放置を続けた場合に積み上がる負担の全体像で判断することが大切です。なお、税務や具体的な処分の見通しは個別の事情で変わるため、心配な場合は自治体の窓口や専門家に相談することをおすすめします。

過料はいきなり課されない|命令までの4段階(空家法22条)

古い畳に置かれた封筒と、そっと添えられた手
静かに手元に届いた知らせ(イメージ)

「文書が届いた=すぐ50万円」ではありません。特定空家等(そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある状態などにある空き家)に対する空家法22条の手続きは、次の順に進みます。

  1. 助言または指導(22条1項)。まずは口頭や文書で、適切な管理を促す段階です。多くの人が最初に受け取る「管理してください」という連絡はここに当たります。この段階では過料はありません。
  2. 勧告(22条2項)。改善されないとき、「相当の猶予期限」を付けて、除却・修繕・立木竹の伐採などを勧告します。勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れる点が重要です(後述)。
  3. 命令(22条3項)。勧告に従わず、特に必要があると認められるときに出されます。命令の前には、あらかじめ通知書が交付され、意見書の提出や公開による意見聴取の機会が与えられます。この命令に違反して初めて50万円以下の過料の対象になります。
  4. 行政代執行(22条9項)。命令が履行されない、または期限までに完了する見込みがないときに、行政が所有者に代わって解体などを行い、その費用を所有者に請求します。所有者を確知できないときの代執行(10項)や、災害の危険が切迫して命ずるいとまがないときの緊急代執行(11項)もあります。

このように、過料が科されるまでには複数の段階と、意見を述べる機会が用意されています。逆に言えば、助言・指導の連絡が来た時点で動き出せば、過料や代執行まで進む前に問題を解決できます。

管理不全空家と特定空家で違う|過料50万円の対象になるのはどちら

2023年の改正で新しく設けられた「管理不全空家等」(適切な管理が行われず、放置すれば特定空家等になるおそれがある状態の空き家)にも、市町村長は指導・勧告ができます。ただし管理不全空家等には、特定空家等のような命令や代執行の規定はありません。

したがって、50万円以下の過料の対象になるのは、特定空家等について出された命令に違反した場合だけです。管理不全空家等の段階では命令が存在しないため、命令違反を理由とする過料も生じません。ただし管理不全空家等でも勧告を受ければ、次のとおり税負担が重くなります。段階が軽いうちに手を打つ意味はここにあります。

過料より現実に重い負担|固定資産税の特例解除と代執行費用

雑草が生い茂る空き家の庭
手入れされず放置された庭の風景(イメージ)

金額のインパクトで言えば、過料よりも次の2つのほうが大きくなりがちです。

勧告で固定資産税が上がる(住宅用地特例の解除)

住宅が建つ土地には「住宅用地の特例」があり、200㎡以下の部分は固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されています。ところが、管理不全空家等または特定空家等として勧告を受けると、この特例が敷地から外れます(地方税法349条の3の2)。その結果、200㎡以下の部分は課税標準が6分の1から元に戻り、最大でおよそ6倍になります。

ただし勧告を受けた瞬間に変わるわけではありません。固定資産税の賦課期日は毎年1月1日(地方税法359条)なので、勧告を受けた状態で1月1日を迎えた年度分から特例が外れる形になります。過料50万円は命令違反という最終盤の話ですが、税負担の増加はもっと手前の「勧告」で発生する点に注意が必要です。

代執行の費用は全額所有者負担

命令にも従わず行政代執行に至った場合、解体などにかかった費用は所有者が負担します。解体費用は構造・延床面積・立地・残置物の量で大きく変わり、全国一律の相場を示せる公的統計はありませんが、木造戸建てでも数十万円から百万円単位になることは珍しくありません。過料50万円と合わせれば、放置を続けた結果として過料だけでは済まない金額になり得ます。

こうした負担を避ける根本的な方法は、管理を続けるか、売って手放すかを早めに決めることです。売却の進め方や、仲介と買取で手取りと期間がどう違うかは空き家 売却の進め方の記事で整理しています。老朽化が進んで通常の仲介が難しい物件でも、買取業者なら現況のまま引き取れる場合があります。

よくある質問

空き家を放置すると罰金はいくらですか

空家法上は「罰金」ではなく「過料」で、命令に違反した場合は50万円以下、報告をしない・虚偽報告・立入調査の妨害をした場合は20万円以下です。文書が届いた段階で自動的に科されるものではなく、助言・指導、勧告、命令という段階を経た後に対象になります。

過料と罰金はどう違いますか

罰金は刑法上の刑罰で前科として記録されますが、過料は行政上の秩序罰と位置づけられ、刑罰ではないと一般に説明されます。そのため過料で前科がつくものではないと考えられています。ただし軽視してよいという意味ではなく、放置を続けると税負担や解体費用のほうが重くなります。

市から「管理してください」という手紙が来ました。もう過料の対象ですか

その文書が助言・指導であれば、その段階では過料はありません。過料は命令違反などに対するものなので、まだ手続きの入口です。ただし放置すると勧告、命令へと進むため、届いた時点で自治体に連絡し、対応方針を相談することをおすすめします。

50万円と20万円は両方科されることがありますか

条文上は対象となる行為が別なので、命令違反(50万円以下)と、報告拒否・調査妨害(20万円以下)はそれぞれ別に評価されます。実際にどう扱われるかは個別の事情で変わるため、具体的なケースは自治体や専門家に確認してください。

相続登記をしないことにも罰金はありますか

空家法とは別の話ですが、相続登記の申請義務化により、正当な理由なく申請を怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます(法務省)。空き家に関わる過料は空家法だけではない点に注意が必要です。詳しくは相続登記の義務化を扱った記事をご覧ください。

過料を払えば空き家を放置し続けてよいのですか

過料を払っても、危険な状態が続けば行政代執行で解体され、その費用を請求されます。勧告を受けていれば固定資産税の特例も外れています。過料は「済ませれば終わり」の性質のものではなく、根本的には管理を続けるか手放すかの判断が必要です。

参考・出典

  • 空家等対策の推進に関する特別措置法(第2条・第13条・第22条・第30条)e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/426AC1000000127
  • 国土交通省「改正空家法の概要」(令和5年6月14日公布・令和5年12月13日施行)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001621960.pdf
  • 地方税法(住宅用地の課税標準の特例・賦課期日)e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
  • 総務省「固定資産税・都市計画税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_11.html
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
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