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親から相続した実家を売ろうと、近所の不動産会社に媒介(仲介=会社が買主を探して売買を仲立ちすること)を頼んで八か月がたちました。内見の連絡は一度も来ず、会社からの状況報告もありません。本当に売る気で動いてくれているのか不安になり、別の会社に替えるべきか迷う。空き家の売却では、この「任せた会社が動いているのか分からない」という詰まり方がとても多く起きます。
結論を先に言うと、空き家を任せる不動産会社は、空き家を実際に売った実績があるかと、売れない期間に何をしてくれるか(とくに販売状況をどのくらいの頻度で報告してくれるか)の二つで見極めます。会社名の知名度や、比較サイトのランキング順位は選ぶ基準になりません。空き家は買主が付きにくく、売り出してから成約まで時間がかかりやすいので、「動きが止まったときに何をする会社か」を先に確かめておくことが、遠回りに見えて一番の近道になります。
任せる相手は「買い取る会社」ではなく「売ってくれる会社」
空き家を手放す方法には大きく分けて、不動産会社に買主を探してもらう仲介と、業者に直接買い取ってもらう買取、複数社にまとめて査定を頼む一括査定があります。それぞれの手取りと期間の違いは空き家 売却の進め方で表にまとめています。この記事で扱うのは、そのうち仲介を任せる会社の選び方です。
買取業者は自社で買い取って再販するため、選ぶ視点が違います(残置物や再建築不可でも買えるか、など)。一括査定は会社を選ぶ前の「候補集め」の道具です。仲介を任せる会社は、あなたの代わりに買主を探し、売れない間も販売活動を続ける立場なので、実績と動き方で選びます。
不動産会社の選び方でまず見るのは、空き家を売った実績
人が住んでいる家の売却と、空き家の売却は、会社にとって難しさが違います。空き家は室内が傷んでいたり、残置物(家財の残り)があったり、境界があいまいだったりと、買主に説明すべき事情が多く、内見の段取りや価格の付け方にも慣れが要ります。だからこそ、その会社が過去に空き家や相続した家を成約させてきたかを最初に確かめます。
確かめ方は単純です。問い合わせのときに「相続した空き家の売却を、直近でどのくらい扱いましたか」「そのとき残置物や解体の相談にはどう対応しましたか」と具体的に聞きます。実績のある会社は、過去の進め方を事例として具体的に話せます。逆に「もちろん任せてください」で終わり、中身が出てこない会社は、住んでいる家の売却が中心で空き家に慣れていない可能性があります。
全国の空き家は2023年時点で900万2千戸、そのうち一戸建てが352万3千戸を占め、その約8割は賃貸にも売却にも出ていない放置されがちな家です(総務省 令和5年住宅・土地統計調査)。つまり「売りに出す前の空き家」を動かした経験があるかどうかで、会社の差が出ます。
売れない期間に何をしてくれるか、報告の頻度で会社の本気度が分かる
空き家は売り出してすぐ買主が付くとは限りません。半年以上動かないこともあり、そのときに会社が何を報告し、何を提案してくるかが、良い会社かどうかの分かれ目になります。
宅地建物取引業法では、専任媒介・専属専任媒介(一社にしぼって依頼する契約)を結んだ会社に、販売活動の状況を売主へ定期的に文書などで報告する義務と、指定流通機構(レインズ=不動産会社間で物件情報を共有する国が指定したネットワーク)へ一定期間内に登録する義務を課しています。報告の頻度とレインズ登録の期限は契約の種類で決まっており、専任媒介と専属専任媒介で異なります。契約時に、自分の契約ではどの頻度で報告が来るのかを書面で確認しておきます。
頻度そのものよりも大事なのは中身です。良い会社の報告には、内見の件数、問い合わせの反応、他社からの引き合い、そして反応が薄いときの価格や見せ方の見直し提案が入っています。逆に「変わりありません」だけの報告が続く会社は、レインズに載せて連絡を待っているだけのことがあります。売れない期間にこそ、会社の差がはっきり出ます。
手数料の見方、800万円以下の空き家は上限が変わる
仲介の手数料(仲介手数料=成約したときに会社へ払う成功報酬)には、法律で上限が決まっています。売買代金を区分し、200万円以下の部分は5.5%、200万円を超え400万円以下の部分は4.4%、400万円を超える部分は3.3%(いずれも税込)を合計した額が上限です。たとえば1,000万円で売れた場合の上限は、国土交通省の計算例で39.6万円(税込)です。
空き家で知っておきたいのは、価格の低い物件の特例です。売買代金が800万円以下の「低廉な空家等」については、会社は通常の計算より高い報酬を受け取ってよいことになっており、その上限は33万円(税込)です。これは会社が現地調査などにかける手間を賄うための特例で、あらかじめ上限の範囲で報酬額を売主に説明し、合意することが前提です(2024年7月1日施行)。
選び方の観点では、この特例を早い段階できちんと説明できる会社は、空き家や低価格帯の取引に慣れているサインです。逆に手数料の話をあいまいにする会社は避けます。金額の多い少ないだけでなく、説明の丁寧さで見ます。
ランキングは選ぶ基準にならない、土地として売るときも同じ注意点
「不動産会社 選び方 ランキング」で上位に出る記事の順位は、多くが広告や独自集計によるもので、あなたの空き家がある地域で実際に売る力とは結び付きません。会社を比べるなら、順位ではなく公表元のある事実で見ます。たとえばレインズへの登録状況、宅地建物取引業の免許番号(都道府県知事免許か国土交通大臣免許か、更新回数)、その地域での取扱いの多さを、公式サイトや問い合わせで確かめます。
空き家を解体して土地として売る場合も、見る軸は変わりません。土地は境界の確定、越境物、道路付け(接道=敷地が道路に接している状況)といった調査が成約を左右するため、これらを事前にどう進めるかを説明できる会社を選びます。土地売却で失敗しやすいのは、査定額の高さだけで会社を決めてしまうことです。高い査定は「その値段で売れる保証」ではなく、媒介契約を取るための提示額であることがあるため、根拠を必ず聞きます。
任せる会社を決めるまでの判断フロー
迷ったときは、次の順で絞り込みます。
- 空き家・相続した家の成約実績を具体的に話せるか。話せない会社は候補から外す。
- 売れない期間の報告の頻度と中身(内見数・反応・見直し提案)を、契約前に書面で示せるか。
- 手数料の上限(800万円以下なら33万円税込の特例を含む)を先に説明し、合意を取るか。
- 査定額の根拠を、近隣の成約事例など公表データで説明できるか。高いだけの査定は保留する。
- ここまでで残った会社が複数あれば、まず一社にしぼる専任系で任せ、報告が約束どおり来るかで見極める。
下の表は、問い合わせの段階でチェックする項目です。
| 見るポイント | 確認すること | なぜ見るのか |
|---|---|---|
| 空き家の販売実績 | 相続した家・空き家を直近でどれだけ扱ったか、残置物や解体の相談への対応 | 空き家は説明事項が多く、慣れで成約率が変わるため |
| 報告の頻度と中身 | 契約の種類ごとの報告頻度、報告に内見数や見直し提案が入るか | 売れない期間に動いている会社かを見分けられるため |
| 手数料の説明 | 上限の内訳、800万円以下の33万円特例の事前説明と合意 | 低価格帯・空き家の取引への慣れが表れるため |
| 査定額の根拠 | 近隣の成約事例や公示地価など、値付けの裏付け | 高いだけの査定で契約を取る会社を避けるため |
広告この記事の結論:ラクウル(空き家買取)
会社選びに迷ったら、まずその場でわかる査定額を確認し、報告の頻度や実績の説明を比べる出発点にする方法があります。
広告です。査定金額や対応エリアは公式でご確認ください。
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よくある質問
空き家は大手と地元、どちらの不動産会社がいいですか
どちらが上とは一概に言えません。大手は広告網が強く、地元密着の会社はその地域の買主や事情に詳しいという違いがあります。空き家では、その地域での取扱い実績と、売れない期間の動き方で選ぶのが実際的です。両方に問い合わせて、報告の約束と査定の根拠を比べてください。
一社に任せて売れないとき、会社を替えてもいいですか
媒介契約には期間があり、期間の満了に合わせて別の会社へ切り替えられます。替える前に、報告どおりの活動があったか、価格の見直し提案があったかを振り返ると、次の会社選びの基準がはっきりします。契約の種類ごとの期間や更新のルールは媒介契約の記事で詳しく扱います。
仲介手数料は空き家でも同じですか
基本の上限は同じ区分計算ですが、売買代金が800万円以下の物件は「低廉な空家等」の特例で上限が33万円(税込)となり、通常の計算より高くなることがあります。あらかじめ会社が説明し合意を取る決まりなので、契約前に金額と内訳を確認してください(2026年9月時点)。
ランキングサイトの上位の会社に頼めば安心ですか
順位は広告や独自集計によることが多く、あなたの地域での販売力とは別物です。順位ではなく、免許番号やレインズ登録、その地域での実績といった確かめられる事実で判断してください。
売れない空き家は買取に切り替えるべきですか
時間を優先するなら買取、手取りを優先するなら仲介で粘る、という分かれ方になります。仲介と買取の手取り・期間の違いは別記事にまとめているので、切り替えの前に数字で比べてください。
遠方の空き家は、物件の近くと自宅の近く、どちらの会社に頼みますか
買主を探すのは物件のある地域なので、原則として物件の近くの会社が有利です。遠方で現地に行きにくい場合は、報告を文書で確実に送ってくれるか、鍵の管理や内見の立ち会いをどうするかを、契約前に取り決めておきます。
参考・出典
- 国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(昭和45年建設省告示第1552号、最終改正 令和6年国土交通省告示第949号) https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001750143.pdf
- 国土交通省 消費者向けお知らせ(不動産取引の報酬) https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html
- 総務省 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果 概要 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf
- 国土交通省 全国版空き家・空き地バンク 総合情報ページ https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000131.html

